東京大学の佐藤佳教授が主宰する研究コンソーシアムは、昨年8月ごろに出現したオミクロン株「BA.2.86」のウイルス学的特性を明らかにした。米国科学雑誌のオンライン版で26日付で公開されている。
研究では、BA.2.86株は既存の流行株よりも有意に高い実効再生産数を示すことを明らした。さらに、詳細なウイルス学的実験を行ったところ、BA.2.86株は抗ウイルス薬「レムデシビル」や「パキロビッド」、「ゾコーバ」などの抗ウイルス薬のいずれに対しても高い感受性があった。
佐藤教授らは「今後もオミクロンBA.2.86株及びその子孫株の流行、性質、進化を継続的に監視することが重要だ」と呼び掛けている。