筑波大学の白鳥峻志助教らのグループは、原生生物「メテオラ」が真核生物の最も近い分岐とされる「ヘミマスチゴフォラ」と近縁であると突き止めた。ヘミマスチゴフォラ−メテオラ系統群の存在とこの系統群が他のスーパーグループに匹敵する形態的多様性を有することを⽰唆している。
メテオラは前後左右に計4本の突起を持ち、左右2本を腕のように前後に振りながら、底面を滑るように移動する生物。研究ではメテオラ培養株を使ったデータ解析とミトコンドリアの配列決定を行った。
突起の中には射出装置と見られる顆粒(かりゅう)があり、それを使ってバクテリアを捕食している可能性が示されている。また、ヘミマスチゴフォラと近縁であることも明らかになっている。
白鳥助教らは「メテオラのような、研究があまり進んでいない原⽣⽣物について研究することは、真核⽣物の多様性を解明するために重要だ」としている。