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脂質異常症患者の⽣活習慣改善を⽀援 NTTとドコモが治療用アプリの試作版開発

日本電信電話株式会社(NTT)と㈱NTTドコモは、⽣活習慣病である脂質異常症の患者を対象とした治療用アプリに適用する⾏動変容支援技術の検証と同アプリの設計を実施し、ドコモが試作版アプリを開発した。

ドコモは、同アプリが脂質異常症患者を対象とした治療用アプリの国内初医療機器承認を取得することを目指し研究開発を進めている。脂質異常症は、血液中の脂質(LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪)の値が基準値から外れた状態を指す。診断を受けていない患者を含めると日本国内で約2000万人の患者※4 がいるとされるきわめて身近な病気。

脂質異常症は、運動や⾷事などの⽣活習慣に起因することが多く、悪化すると脳卒中や⼼筋梗塞を引き起こすことが知られている。脂質異常症の治療では、医師から患者への⽣活習慣の改善指導が⾏われるが、数か月に一度の外来受診時だけでは日常的な指導が困難であり、⽣活習慣改善に向けた支援が十分にできていないという課題がある。

ドコモはこの課題を解決するため、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」などを参照しつつ、千葉⼤学医学部附属病院糖尿病・代謝・内分泌内科の前澤善朗講師による監修を受け、NTTと共同で設計した同アプリの試作版を開発した。

アプリは、NTTが研究開発を進めている⾏動変容支援技術を活用している。今回活用する⾏動変容支援技術としては、過去の歩数、当日の天気、利用者の気分やスケジュールに応じて、利用者が歩くことができると思われる歩数を1時間単位で予測・表示する歩数予測技術を用いる。また、予測を超えようとする人間の⼼理に基づき、利用者の 歩数を増やすことを支援するための技術も活用する。

さらに、利用者の日常の⽣活パターンと、⽣活リズム改善や運動習慣を身に付けるための目標を⼊⼒することで、目標達成のためにはどの時間に何をするとよいか、目標から 1 日ごとのプランを提案する逆算介入技術も使用する。

これらの技術を活用することで、同アプリは脂質異常症の患者一人ひとりのライフスタイルに合わせた⽣活習慣改善を提案し、継続的な⾏動変容の促進を図る。利用者となる患者は、同アプリから提示される歩数などの目標やプランを達成することで⾃⼰効⼒感を⾼め、無理なく運動や⾷事といった⽣活習慣の改善を図ることができる。

また、ゲーム感覚でアプリ利用を楽しめるような要素を加えることで、利用者が⾏動変容を継続する仕組みを取り⼊れた。

ドコモは、日本国内の移動体通信事業者に先駆け、第⼆種医療機器製造販売業の許可を取得、医療機器 製造業を登録し、治療用アプリをはじめとした医療機器プログラムの開発に取り組んでいる。