文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
スピンオフ企業、国際的なつながりが活発なほど資金調達額増 名市大教授らが調査

名古屋市立大学の児玉耕太教授らは、学術機関などから独立した組織「スピンオフ企業」が研究開発において組織をつなぐ役割を果たし、国際的な研究開発コラボレーションが活発なほど資金調達額が高くなることを明らかにした。

研究では、2012~21年に欧米で設立されたスピンオフ企業を調査した。

研究グループは新設が活発な米国と英国に着目。企業や学術機関からのスピンオフ企業の開発協力の特徴を分析した結果、米英におけるスピンオフ企業は国際的なつながりがある傾向が明らかとなった。

スピンオフ企業の知識や技術の吸収、活用能力を評価。資金調達額との相関を分析すると、米英のスピンオフ企業は国際的な研究開発コラボレーションが活発であり、その関係から組織同士をつなぐ役割を果たすほど資金調達額に対してプラスの影響を与えることが認められた。

児玉教授らは「スピンオフ企業と製薬企業が相補的に戦略を整合し、スピンオフ企業の研究開発への出資やコラボレーションを通じてエコシステムを構築することの必要性を示唆している」とコメントした。