東京医科歯科大学の村上正憲助教らは、2次性高血圧症の重要な原因疾患「アルドステロン産生腺腫」の組織を単一核レベルで初めて解析し、腫瘍内不均一性があることを解明した。原発性アルドステロン症の病態解明および予防や治療法の開発などにつながる可能性がある。
アルドステロン産生腺腫は、副腎皮質ホルモンの一種である「アルドステロン」を自律分泌する内分泌腫瘍であり、原発性アルドステロン症の病型の1つとして重症高血圧や糖尿病の原因となることが知られている。
研究チームは腫瘍組織の遺伝子発現パターンを単一核レベルで解析することでアルドステロン産生腺腫がホルモン合成能の分化度の観点で、多様な細胞が含まれた不均一な集団であることを証明した。そして、それらの細胞が腫瘍内での分化過程の各段階を示している可能性を明らかにしている。
村上助教らは「この知見は、アルドステロン産生腺腫の発症メカニズム解明に新たな視点をもたらすもの」と説明。「研究の発展によって、2次性高血圧や糖尿病の原因の1つである原発性アルドステロン症の病態解明および治療法の開発などにつながる可能性がある」としている。