新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とアラクサラネットワークス(アラクサラ)と慶應義塾大学は、1%以下の微少なデータの喪失を見つけ出し、異常の見逃しと誤検知を同時に低減する「サイレント障害検知技術」の開発に成功した。
サイレント障害のようなネットワーク障害の解析では、ネットワークの複雑化、高度なスキルを持つ人材の不足により、復旧までの時間が長期化し、障害の解析が難しくなっている。こうした背景を踏まえ、NEDOの実施する事業でアラクサラと慶應大は、ネットワークが自律的かつ高精度に異常検知や分析を行う技術の開発に取り組んだ。
3社はサイレント障害検知技術に加えて億単位の端末のフローを識別し、柔軟かつ効率的で高精度にトラフィック情報の収集と帯域制御を行う「フレキシブルネットワークセンサー技術」、最適なデータ収集や帯域制御をする「リソース制御技術」を開発した。
また、これら技術を組み合わせることで少ない収集データ量と計算機リソースで異常検知や分析を高精度に行う「ダイナミックドリルダウン制御技術」を開発した。これにより、ネットワークが自律的かつ高精度に異常検知や分析を行う、高度なネットワーク制御技術を生み出した。
3団体は「ポスト5G時代の多接続するサービスに対応して、サイレント障害をはじめとする通信品質の劣化やサービス障害の検知精度を向上し、高度な監視運用を実現することで、ネットワーク運用の容易化と人材不足への対応、ポスト5G時代のネットワークの発展に貢献する」としている。