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「ブルーギルは別固体の巣も守り卵捕食者を退ける」「数を減らすにはオス駆除が必要」 筑波大研究員が野尻湖で調査

筑波大学のピーターソン・マイルズ・イサオ研究員は、ブルーギルのオス同士が隣接した場所に巣を作り、その周りを警備する⾏動により卵捕⾷を受けにくくしていることを発見した。個体数を減らすためには、大規模なオス駆除が必要だとしている。

ブルーギルはオス同⼠が隣接した場所に巣を作る「コロニー繁殖」を⾏い、その周囲を備することで知られているが、侵⼊先の⽔域における繁殖⽣態はあまり研究されていない。そこで、⻑野県野尻湖でブルーギルの繁殖⽣態をビデオによる⾏動解析と保護オス駆除実験により調査した。

その結果、ブルーギルは6~7⽉にかけて湖の沿岸域で産卵。巣の多くは集合コロニーの中に作られた。他の巣から遠く離れた「単独巣」も全体の35%を占めた。オスは「⾃らの尾で卵に⽔流を送る」、「巣の周囲を旋回する」、「巣に近づいてくる侵⼊者を追い払う」などのさまざまな巣の保護⾏動を⽰していた。

卵の捕⾷者として4種105個体が確認されたが、9割超はブルーギルであった。だが、近隣に別の同種のオスがいるコロニー内では、卵を保護しているオスが除去されても卵捕⾷を受ける割合が低く、捕⾷者の到着に時間がかかった。

ピーターソン教授は「⽇本で⼀般的に⾏われる保護オスの除去は、このような繁殖特性のため、その効果は想定されるより低い可能性があることを⽰している」と指摘。「本種の個体数低減には、コロニー全⾯に及ぶ⼤規模なオスの駆除が必要と考えられる」と述べている。