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動物の珍しい行動を自動発見して撮影 阪大と名大がカメラ開発

大阪大学の谷垣慶大学院生らと名古屋大学の共同研究グループは、野生動物に取り付けるだけで希少な行動を低電力で自動発見し、映像撮影をする「バイオロギングデバイス」を世界で初めて開発した。野生の海鳥の飛行や採餌に関わる希少行動を自動撮影している。研究成果は米国学術誌「ピーエヌエイエスネクサス」に16日付で掲載されている。

研究グループは低消費電力なセンサーを用いてリアルタイムに通常と異なるパターンを見つける装置を開発。これは研究者による指定なしで希少な行動を自動で発見して録画してくれる。

性能を確認するため、新潟県栗島に生息する「オオミズナギドリ」を使って実験を実施した。その結果、海中の様子をうかがい効率的に獲物を捕る様子や頭を激しく振って水分を除くことで飛行効率を高める珍しい行動の撮影に成功した。

研究グループは「この成果は動物の新しい生態の解明に役立つだけでなく、野生生物との共存や伝染病を媒介する動物と人間社会との関係の解明などにも有効と考えられる」と説明している。

開発したバイオロギングデバイス、オオミズナギドリへの装着の
様子、撮影された動画のスクリーンショット