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さい帯血移植の前処置の適切な組み合わせは「フルダラビン+メルファラン+低用量全身放射線照射」 筑波大教授らが発見

筑波大学の千葉滋教授らは急性骨髄性白血病に対するへその緒の血液「さい帯血」の移植の前処置で、抗がん剤「フルダラビン」とアルキル化剤「メルファラン」の投与及び低用量全身放射線照射を組み合わせた場合の移植成績が優れていると発見した。

同種造⾎幹細胞移植(同種移植)は、急性⾻髄性⽩⾎病などの難治性造⾎器疾患に対して⾏われる治療。⽇本の同種移植件数の3分の1以上を占めるさい帯⾎移植は、さい帯⾎に含まれる造⾎幹細胞を患者に移植するもので、適切なドナーがいない患者に適⽤される。

同種移植では、移植の前に⾏われる「移植前処置」(抗がん剤や全⾝放射線照射を組み合わせた処置)と、移植された細胞の免疫反応による抗腫瘍効果が期待できる。処置の際、アルキル化剤の投与や全⾝放射線照射が併⽤されるが、さい帯⾎移植において最適な組み合わせは不明であった。

研究では、⽇本造血細胞移植データセンターの「造⾎幹細胞移植レジストリ」から抽出した1395症例のデータを⽤いて、⾻髄系腫瘍に対するさい帯⾎移植で多く⽤いられていた5種類のフルダラビン併⽤移植前処置を⽐較した。

その結果、フルダラビン、メルファラン、低⽤量全⾝放射線照射を組み合わせて⽤いた場合、さい帯⾎移植後の再発や合併症による死亡が最も少なく、他のフルダラビン併⽤移植前処置と⽐べて⽣存率が優れていた。感染症による死亡が少ないことも分かっている。

千葉教授らは「さい帯⾎移植においてフルダラビンとアルキル化剤を適切な組み合わせで⽤いることで、今後のさい帯⾎移植の成績の向上が期待される」と評価している。