筑波大学の吉本尚准教授らは、男性と女性でノンアルコール飲料による飲酒頻度などの減少に性差がある可能性を指摘している。女性のほうが飲酒頻度の減少度合いが大きい。性別の差を踏まえた飲酒対策をする上で重要な知見となる。

チームは成人１２３人にノンアルコール飲料を１２週間提供。その後の８週間で飲料を提供する介入群と対照群に分けて観察した。

介⼊群と対照群の４週間あたりの平均飲酒量減少率の違いについて男⼥に分けて検討したところ、男⼥ともに介⼊群の飲酒量減少率が対照群を上回った。またその割合には性差が認められないことが判明している。

飲酒量が減少した要因について、飲酒頻度と飲酒⽇あたりの飲酒量に着⽬。男性は飲酒頻度の顕著な減少は認められないものの飲酒⽇あたりの飲酒量が少なくなった。⼀⽅で⼥性は飲酒⽇あたりの飲酒量の低下がなく、飲酒頻度が有意に減っていることが明らかとなっている。

吉本准教授らは「本研究結果は、ノンアルコール飲料の提供による飲酒量減少のプロセスは男⼥で異なることを⽰唆しており、過剰なアルコール摂取による健康被害を抑えるためには、性差を踏まえた対策が必要」とコメントしている。