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「へき地」のかかりつけ医と診療の幅 横市大准教授らが国内初調査 地方ほど幅広い診療を実施

横浜市立大学の金子惇准教授らの研究グループは、全国のかかりつけ医にアンケート調査を行った。勤務している医療機関が「へき地」である方がより幅広い診療を行っている傾向が明らかになった。

研究では医師1000人を対象として、ウェブアンケートを用いた横断調査を実施。299人から回答を得た。へき地尺度「RIJ」を使って、「へき地度」を分類している。

それによると、主な勤務地のへき地度が高い医師では診療の幅が広い傾向があった。「女性」、「診療所や病院以外の場所での勤務」、「経験年数が長い医師」では診療の幅が狭い傾向があると分かった。

診療の幅を測定する「SP4PC」を用いた調査では、勤務地のへき地度が高い医師では診療の幅が広い。一方で、診療所や病院以外の場所での勤務、経験年数が長い医師では診療の幅が狭かった。

研究グループは「へき地度ごとに必要な診療の幅を設定し、それぞれの地域の医療資源に合わせて改定したものを作成できれば、赴任前の研修に有用と考えられる」と指摘している。

「へき地」度と診療の幅の関連。「へき地」尺度が10上昇した
場合の診療の幅の変化を記している