大阪公立大学の玉井孝司病院講師らの研究グループは、頚椎症性脊髄症で手術を受けた患者の術後症状について調査した。約半数に「手足に強いしびれ」が残っていることが判明し、「術後の治癒満足度」も低いことが明らかとなった。
研究では同症で手術を受けた187人から術後症状を観察。状態の変化を調べた。その結果、86人(45%)の患者に「手足の強いしびれ」が遺残していることが分かった。
また、「術後の治療満足度」を調査したところ、運動症状が改善しているにもかかわらず、手足のしびれが治療満足度に影響することを確認。さらに、しびれを予測する因子は、手術前とう痛の有無であることも突き止めた。
玉井講師らは「本研究では、手術前に疼痛を訴えている患者にしびれが残りやすいことも明らかになったことから、今後は遺残するしびれに対する治療戦略を構築し、患者に寄り添った医療提供を目指した研究の進展が望まれる」とコメントしている。