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熱電変換出力因子増大による性能向上の理論を凌駕 阪大研究Gが新概念提案 増大率を4培向上

大阪大学と物質・材料研究機構(NIMS)の研究グループは、2次元電子ガス(2DEG) を用いた熱電変換出力因子増大による性能向上の理論を凌駕する新概念を提案した。実際に AlGaAs/GaAs界面の2DEGを利用することで、従来の2DEGの熱電変換出力因子の増大率よりさらに4倍向上することに成功した。

研究グループは、三角井戸型ポテンシャルに電子が閉じ込められて形成される「三角井戸2DEG」を用いて複数のサブバンド間のエネルギー距離を接近させることにより、上部のサブバンドに励起される高エネルギー電子の伝導を利用してゼーベック係数を増大する新物理を提案した。

これにより、従来の2DEGを超える熱電変換出力因子の増大率を達成できることを実証。これまでの理論と比較すると、増大率は4倍に達していた。

グループの中村芳明大阪大教授は「熱電材料開発の指針となる、応用に直結する新物理であり、社会的にも学術的にも非常に価値のある成果だと考えている」と述べている。