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従来法の3分の1の時間で脂質多様性を捉える 農工大准教授らが手法「Hybrid MS法」開発

東京農工大学の津川裕司准教授らの共同研究グループは、物質の同定や定量を行う「質量分析法」の計測手法と情報処理技術を改良することで、従来法の3分の1の時間で脂質多様性を捉える手法「Hybrid MS法」を開発した。

液体クロマトグラフィー(LC)の計測時間を短縮する「高速 LC法」が開発されていたが、解析できる脂質の種類が大幅に減少してしまうという課題があった。

研究では高速LC法を利用して分析時間を従来の3分の1に短縮しながら、解析可能な脂質分子の種類を維持する技術「HybridMS法」を開発した。

この手法の有用性を確認するための検証を行ったところ、HybridMS法では同じ時間で高速LC法+DDA法よりも2倍の脂質分子を同定することができた。

津川准教授らは今後について「HybridMS法のさらなる改良に向けて、脂質を濃縮するための前処理法の最適化や、最先端の質量分析手法および機械学習などを組み合わせながら、脂質の分析、処理能力の向上を図り、新しい脂質を発見しデータベースを拡充していく」と説明している。