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プラスチック原料であるフマル酸の合成効率を2倍に 大阪公立大教授らが合成成功

大阪公立大学の天尾豊教授と竹内未佳大学院生は、二酸化炭素ガスと太陽光エネルギーを利用して新規の色素を開発することで、プラスチック原材料となるフマル酸を従来の生成収率と比べて2倍向上させて合成することに成功した。研究チームは「さらなるフマル酸収率向上が見込める人工光合成技術に関する研究を進める」としている。

研究チームでは以前の研究で、炭酸水素塩とバイオマス由来化合物「ピルビン酸」を材料として、太陽光エネルギーを用いてフマル酸を合成することに成功していた。だが、フマル酸の生成収率が低いという問題があった。

研究チームは、人工光合成系で広く用いられている色素亜鉛が、L-リンゴ酸を脱水しフマル酸を生成するための酵素「フマラーゼ(FUM)」の触媒活性を著しく阻害していることを突き止めた。

そこでFUMの触媒活性に影響を及ぼさない新規色素亜鉛「テトラフェニルポルフィリンテトラスルフォナート」をリンゴ酸脱水素酵素とFUM、触媒で構成される光酸化還元系に適用した人工光合成技術を開発した。

その結果、気体状の二酸化炭素を原料とするフマル酸の生成収率を2倍向上させることに成功している。竹内大学院生は「実験自体は地道で根気のいる作業でしたが、今回このようにまた一つ前進できたことをとても嬉しく感じる」としている。