山形大学と関西学院大学の研究グループは、広く知られる顔料「プルシアンブルー」の類似体ナノ粒子を活物質、単層カーボンナノチューブを導電助剤とした新しい正極構造の構築に成功した。持続可能な社会に貢献する金属亜鉛エネルギーサイクルの構築に貢献しそうだ。
電解質イオンと電子が迅速に移動することで、10秒以下の超高速で充電や放電する2次電池への道が拓かれた。特に、負極に大気中で発火の危険性がある金属リチウムやナトリウムではなく、安全に扱えて高い起電力が得られる金属亜鉛を用いることを特徴。
亜鉛は供給面で地政学的リスクが低く安価で毒性がないため、地震災害が多発する日本においてもこれを蓄積することでどこでも電気に再生できる。
研究グループは「研究によって、活物質の性能を最大限に引き出す『RSW構造』の発見により、金属亜鉛を負極とする超高速充放電可能な安価、高安定、高安全な2次電池開発への道が拓けた」とコメントしている。