文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
「超流動体はレイノルズの相似則に従うか?」 大阪公大講師が物議学の〝常識〟覆す理論提言 

大阪公立大学の竹内宏光講師は、超流体における(量子)乱流を理解する上での理論的な課題に焦点を当て、超流体中を落下する物体の終端速度を測定すれば、超流体におけるレイノルズの相似則の成立を検証できることを示している。物理学の常識を覆す量子粘性を理論提言している。

エネルギー損失の要因である空気などの流れは、流体が持つ粘性を取り入れた「レイノルズ数」で把握できる。この法則を「レイノルズの相似則」と呼ぶ。粘性のない超流体はこの例外だ。ここでのエネルギー損失の機構は解明されておらず、相似則の適用についての検証を困難にしていた。これは乱流模型を実用レベルで構築する上で避けては通れない問題だ。

研究では循環量子を熱揺らぎに依らない「量子粘性」として採用したときの終端速度と熱揺らぎによる補正を幅広い温度領域で算出することに成功した。

当初、熱揺らぎに起因する常流動成分の寄与を算出することは困難と考えられていたが、2つの流動成分間の相互作用が無視できる温度領域で検証できることを発見。さらに常流動成分の流れに対するレイノルズ数が超流動レイノルズ数に比べて十分小さい値をとることが具体的な見積もりで明らかになり、理論計算の実行が可能だと判明した。

竹内講師は「量子粘性の概念は半世紀を優に超える長い歴史を持つ超流動理論の『常識』を覆すもの」と説明している。