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自然現象を計算資源に 東北大&はこだて未来大が「環境計算」発表

東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)の安東弘泰教授と公立はこだて未来大学の香取勇一教授の研究チームは、自然界の複雑なダイナミクスを計算資源として活用する「環境計算(コンピューテーション・ハーベスティング)」の概念を発表した。

環境計算は自然現象を計算資源とするため、計算コストが低く高速な学習が可能である。また、計算プロセスの大部分に物理現象を利用するため、消費電力を減らすこともできる。

研究チームは、風を受ける植物とそれをカメラで撮影する実験システムを構成。その植物の映像から検出した特徴点の動きに対して、機械学習の枠組み「リザバーコンピューティング」の原理を適用した。詳細な設計を必要としない方法論で風向きと強さを推定する実験を行った。

その結果、植物の映像から抽出した情報の簡単な線形和(ベクトルの足し算)のみから、複数の異なる風向きとその強さを合わせて分類することが可能であると示された。

また、学習に用いていないパターンの風をあてた植物の映像に対しては、それ以外で学習したパラメータでも分類が可能であると分かった。これは、植物の動きや構造にある種の汎化性があることを示唆している。

研究チームは「既存インフラから取得可能な環境中の映像などの情報を利用した風速や日照量予測、それによる再生可能エネルギーの発電量予測などの技術開発にもつながると期待される」と説明した。