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X線天文衛星「クリズム」のファーストライト 名大研究チームが確認 本格観測開始へ

名古屋大学の中澤知洋准教授らの研究グループは、米航空宇宙局(NASA)など国内外の研究機関と共同開発しているX線天文衛星「クリズム」による最初の観測結果であるファーストライトを公開した。これは衛星が本格観測を開始したことを意味している。

クリズムは宇宙航空研究開発機構(JAXA)主導で開発された日米欧共同の宇宙X線天文台だ。2016年に運用を終えた「ひとみ衛星」の成果を引き継いだ。X線分光能力を実現するために18年度から開発が始まり、昨年9月に種子島から打ち上げられた。

研究グループは「宇宙物理学を語る上で欠かせない観測帯域となった宇宙X線観測において、特に分光能力で世界一を実現し、宇宙の天体の動き、重元素の詳細な分布、そして重元素の温度や電離度を測ることで、高エネルギー天体の中で何が起きているのかを知ることを目指している」とした。