京都大学と早稲田大学の共同研究チームは、複雑な波及効果と介入割当の不遵守を考慮できる曝露写像と操作変数法による新しい因果推論手法を開発。その統計的性質を証明することに成功した。
ネットワークデータを利用した近年の因果推論では、人々の間に生じる波及効果を要約するための方法として、曝露写像が考えられている。だが、それは有用なアプローチであるものの、データ分析において写像を適切に選ぶことは容易ではない。考えられる候補は数多く、その中にはないかもしれないからだ。
こうした課題を解決するために研究チームは、誤った曝露写像を選択する可能性と介入割当の不遵守の両方を許容し、結果に対する介入の平均的な直接、波及、全体効果のそれぞれを調べるための新しい因果推論手法を開発した。
柳貴英京都大准教授は「波及効果にかかわる課題はまだまだ残されていると感じていますから、今後も研究を進めていきたい」とコメントしている。