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10元系多元素酸化物ナノ結晶の瞬時合成 京大研究Gが世界初成功 新たな物質の開発に期待

京都大学の研究グループは、10種類の金属元素を含むペロブスカイト型ハイエントロピー酸化物(HEO)ナノ粒子の瞬時合成に世界で初めて成功した。従来の合成手法では得られなかった新たな元素の組み合わせが可能となり、酸化物ナノ物質の開発につながりそうだ。

HEOは多数の元素を混合することで新しい物性を発現させる「ハイエントロピー物質」の一種。イオン伝導体、触媒、熱電材料などとして分析されている。

研究では超臨界水フロー反応装置を用いることによって、急速加熱と冷却を実現。一瞬でさまざまな性質を持つ異なる金属イオンが複合化した酸化物ナノ粒子を合成することに成功した。

この方法は他の金属イオンの組み合わせにも適用できると考えられており、触媒をはじめとした酸化物ナノ粒子の性能向上が期待されているという。

超臨界水フロー反応装置と得られた 10 元系ハイエントロピー
酸化物ナノ粒子のイメージと、電子顕微鏡像(右下)。粒子の
イメージで異なる色の球は異なる元素を表す