筑波大学の濵野淳講師は訪問診療を受けている⾮がん⾼齢者が、どのような症状で困っているかを1年間調査した。その結果、「体の動かしにくさ」、「だるさ」、「便秘」が主な苦痛であり、訪問診療を受けていてもそれらは⼗分に緩和されないことが分かった。
研究では2020年1~12⽉の間に訪問診療を受けた65歳以上の⾮がん患者を対象に調査を実施。患者数は785人で、そのうち317人が12カ⽉間の調査を完了していた。
非がん在宅高齢者に苦痛症状を問うと、最多が「体の動かしにくさ」で41.0%。次に「だるさ」が13.9%で「便秘」10.4%と続いた。訪問診療開始から1年間で改善が見られた症状は「体の動かしにくさ」「食欲不振」「だるさ」の順となった。
濵野講師は「訪問診療を受けている⾮がん⾼齢者に対して、どのような治療や⽀援を⾏うと苦痛症状が緩和されるのかについて検証していく必要がある」と指摘。「苦痛症状が同じでも、患者ごとの背景因⼦や⽣活状況が異なる可能性があるため、それらを考慮した研究もしくは解析⽅法の検討を進める」としている。