秋田大学の板野敬太助教らは、地殻成長の原動力となる「苦鉄質マグマ活動」が1000万年間にも及ぶことを示す証拠を初めて発見した。大陸地殻の形成過程の解明につながる重要な知見になりそうだ。
研究では石川県白山市にある角閃石カンラン岩中のジルコンを分析して、その粒子内部に保存されたマグマの活動履歴を読み解き、苦鉄質マグマの供給系が保持される変遷の解明に挑んだ。
その結果、1000万年間にもわたりマグマ供給系が活動していたと分かった。角閃石カンラン岩のような苦鉄質な岩石から長寿命マグマ活動の物的証拠を示した初の研究となっている。
研究グループは今後について「世界各地の同様の岩石種へ研究を展開し、地殻深部の化学進化や物質輸送の研究を進めていく」と力を込めた。