大阪大学などの研究グループは患者や行政経験者らと共に「希少疾患領域で優先すべき研究テーマ」を明らかにした。「日常生活の支障」「経済的な負担」「就労就学の悩み」などの研究に関する優先順位が高いことが分かっている。
研究では、10疾患の希少疾患の患者・患者家族21人、研究者17人、行政経験者5人が計25回のワークショップを通して継続的に熟議を行った。
希少疾患領域の困難に関する研究として、どのようなテーマを優先して取り組むべきかについて議論を行った。優先順位を設定するために判断基準の順位を参加者全員で設定した。
その結果、優先度の高いものとして「日常生活の支障」「経済的な負担」「就労就学の悩み」などの生活面に関するテーマや「不安」「悲観」「遺伝性疾患に特有の心理」といった心理面に関するテーマ、通院の負担の軽減や解決を目指すような研究が挙げられていた。
研究グループは「研究成果は、希少疾患領域の政策形成、特に今後の研究助成のあり方などを考える際に参照可能なエビデンスとして役立つと考えられる」としている。