日本女子大学などの研究グループは、日本人集団の出生体重適正化のための母体体重管理のシミュレーションによる検討を実施。妊娠期間に個別に体重管理を行う有効性を支持した。
2013~17年に日本産科婦人科学会の周産期データベースに登録された情報のうち、35万人以上の単胎初産症例のデータを使い、在胎期間別出生体重の各分位における妊娠中体重増加の出生体重上昇効果(回帰係数)を、分位点回帰モデルを用いて計算した。
それによると、妊婦が同じだけ体重を増減しても、新生児の大きさに一様に影響がでないことを明らかにしている。
その結果を踏まえて、「低体重と妊娠中体重増加量の不足が問題となる場合は、肥満でない妊婦に一様に体重増加量を増やす戦略では、不本意に在胎不当過大児の割合を増やす」と指摘。妊娠前体格が低体重や普通体重の妊婦であれば、全員が妊娠中の体重増加量を増やせばよいというわけではないとした。
研究グループは「一人ひとりの妊婦に対して体重増加の不足や過剰の有無について定期的に確認し、また他の様々な個の特性も考慮した上で注意深くアドバイスをすることだ」とコメントした。