芝浦工業大学と三菱鉛筆㈱、ストーリア㈱は学習中に特定の音による聴覚刺激で集中力が向上する可能性について実証実験を実施した。集中力が落ちてくるタイミングに、「川のせせらぎ」を流すことで、集中力を表す脳波が上昇することを確認したという。
ヘッドバンドを装着した実験協力者に対し、情報処理能力を測定することができる「PASAT」テストをした。前後半2分の計4分間行い、後半の2分間では実験協力者に対して視聴覚刺激を与えた。この時の脳波とテストの正答率を前後半で比較。各視聴覚刺激によって集中力がどのように変化するかを調査した。
その結果、通常の環境下で2分間テストを行った後、休憩を入れずに環境光と背景音(ホワイトノイズ、川のせせらぎ、クラシックミュージック)下でのテストを2分間行い、前半と後半の脳波とテストの正答率を比較した。その結果、背景音として、川のせせらぎを流すことで、正答率が向上する傾向がみられた。
研究グループの菅谷みどり教授は「人と環境の関係はまだ十分明らかになっているとは言い切れず、さまざまな評価を通して人の適応状態や感情を明らかにすることは重要な意義がある」と述べた。