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モーションセンシング機能を備えた圧電複合材料 東北大研究Gが開発 IoTセンサなどでの利用に期待

東北大学の成田史生教授らのグループと大阪工業大学は、一方向に配向させた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の伸縮異方性を利用し、モーションセンシング機能を備えた高強度で柔らかい新しい圧電複合材料の開発に成功した。IoTセンサなどさまざまな用途での利用が期待されている。

力を電気に電気を力に変換する圧電プラスチックは、日常生活やモーションセンシングに関する研究において重要性が高まっている。だが、圧電プラスチックとしてよく用いられる素材は、一般的に耐久性が低く、長期間にわたって信頼性を保つことが困難という課題があった。

今回開発した材料は、繊維方向の機械的特性が圧電プラスチックの約20倍に向上した。また、繊維に垂直方向の高伸長性と高い圧電応答が得られている。スポーツ用品に搭載することで、野球ボールをキャッチする際に生じる衝撃の測定や歩行パターンの追跡などが可能だという。

研究グループは「IoTセンサとしてスポーツ・レジャー用品以外にも医療・介護、ロボット、航空・宇宙など広い分野で新展開がある」とコメントしている。