広島大学の研究グループはモデル生物である「キイロショウジョウバエ」において生体内から生物発光を検出可能な「Akaluc/AkaLumine」を用いた解析が可能か調査を行った。
研究ではAkaluc発現ハエに簡易的でダメージを与えることなくAkaLumine を投与するために、ハエの餌に混ぜる経口投与で発光測定をした。
研究グループは、これまで発光に用いられてきた「Fluc/D-luciferin」と Akaluc/AkaLumineの発光量の比較を実施。その結果、ショウジョウバエでも神経系のような深部組織や少数の細胞からの発光検出において、Akaluc/AkaLumineを使うことで最大5倍の発光の検出が可能となり細胞数の差を発行量の違いで検出した。
Akaluc/AkaLumineによる遺伝子発現解析が可能か調べるために、「自然免疫関連遺伝子の発現に伴ってAkalucを発現する系統」と「小胞体ストレス下でAkalucたんぱく質が安定化されるショウジョウバエ系統」をそれぞれ作製。細菌感染時の免疫活性化やヒートショックによる小胞体ストレス応答の誘導を同一個体のハエを用いて検出することを可能とした。
研究グループは「Akaluc/AkaLumineシステムをショウジョウバエでのドラッグスクリーニング活用することで、既存の方法では見つけることができなかった人類に有用な化合物の発見が可能になる」と説明している。