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フレイルインデックスの「指標」としての有用性 順天堂大院生らが調査 適切である可能性を示唆

順天堂大学の藤本雄大大学院生らの研究グループは、高齢心不全患者のフレイル評価指標である「フレイルインデックス」の包括的な尺度としての有用性を明らかにした。これが全てのフレイルを評価する指標として適切である可能性が示唆されている。

身体的フレイル(歩行機能の低下など)や社会的・認知的なフレイル(独居や認知症など)を含めた包括的なフレイル評価は重要だが、指針は確立されていない。研究では高齢心不全患者のフレイルインデックスについて、フレイル指標としての有用性や予後予測能を検討することを目的に実施した。

研究は2016~18年の間に、国内15施設において急性非代償性心不全で入院となり独歩退院が可能となった、65歳以上の心不全患者を登録した。患者1027人のデータを統計的に解析した。

フレイルインデックスが高値であった患者は、高齢で男性が多い傾向にあった。また、併存疾患の合併を数多く認めている。さらに身体、社会、認知的フレイルの合併した割合が高かった。2年間の追跡の間に、死亡者は205人に上った。生存時間を比較分析すると、フレイルインデックスは有意に死亡と関連していると見られている。

グループの研究者は「心不全患者におけるフレイル指標間の比較をした論文は少なく、今回の研究により、包括的にフレイルを評価する至適手法が確立される一助になれば幸いだ」とし「今後も超高齢化社会の課題を一つ一つ乗り越えるための研究を継続したい」と力を込めた。