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京大開発の化合物「KUS121」 新規の心不全治療薬としても利用可能

京都大学の尾野亘教授らの研究グループは、京都大学で開発された新規化合物「KUS121」が新規の心不全治療薬となることを明らかにした。

研究グループによると、心不全モデルマウスにおいて低下した心臓のエネルギーがKUS121により増加し、収縮能を改善させたことが分かった。また、犬の高頻度ペーシングによる心不全モデルにおいて、KUS121により収縮能および拡張能が改善している。

加えて、単離マウス心筋細胞において、KUS121負荷により心筋細胞の収縮能が上昇する一方で、強心薬で生じるカルシウムイオン(Ca2+)負荷がKUS121で生じないことが分かっている。

こうした結果から研究グループは「KUS121が心肥大や線維化を起こさない急性心不全治療薬として使用できる可能性があること、慢性心不全患者で心不全の進行を抑制できる可能性があること、またKUS121の投与により、末期の慢性心不全患者がカテコラミン依存から脱却できる可能性が示唆された」と評価している。