東京大学の和田良太准教授らの研究グループは、次世代のエネルギー資源「メタンハイドレート」開発の商業的価値を評価し、俯瞰(ふかん)的に技術システムを検討できる評価モデルを開発した。
メタンハイドレート開発では長期開拓に伴う不確実性や多様な利害関係者の需要を踏まえて、商業化に向けた開発コンセプトを絞り込まなければならない。研究グループはこれらプロジェクトの複雑さを整理し、意思決定者を支援するための評価モデルを構築した。
今回、研究方法として35のメタンハイドレート開発コンセプトを比較した。その結果、さまざまな不確実性を踏まえながら有望なコンセプトを抽出できることが分かった。また、技術システムの創発により、洋上発電や洋上水素プラントの相乗効果の大きさを明らかにしている。
研究グループは今後について「意思決定支援ツールとしての開発を見据えている。今後は専門家のヒアリングを通じて評価能力の強化を行いながら、プロジェクトで実際に活用していくためステークホルダー間での検証作業を予定している」とした。