名古屋工業大学の水野稔久准教授らの研究グループと(株)岐阜セラツク製造所は、ラックカイガラムシが分泌する天然樹脂状物質「セラック」から新規バイオマテリアルを開発することに成功した。
セラックは世界各国で食品添加物や医薬品添加物として認められている身近な天然物の1つ。チョコレート菓子や医薬品錠剤などの表面コート材として産業利用されている。研究により、わずかな化学修飾によってセラックに哺乳類細胞に対する接着性付与が可能であることを明らかにし、バイオマテリアルとしての新たな産業用途の開拓に成功した。
研究グループは「従来ある天然由来のバイオマテリアルに比肩する新素材として、医療分野および生物科学分野でのセラックの新たな産業利用が見込まれる」としている。