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次世代量子バッテリーへの挑戦! 新しい因果構造に由来する効果を発見(東京大)

東京大学の長谷川禎彦准教授らは量子開放系の一種である量子衝突モデルにおいて、不確定因果順序と呼ばれる新しい因果構造に由来する特異な効果を発見した。これを利用した量子バッテリーの充填プロトコルを初めて提案している。

量子衝突モデルは量子系間のエネルギー転移を記述する物理モデルであり、より多くのエネルギー転移には強い量子系間の相互作用が必要とされている。だが、今回の発見はこれに反し、弱い相互作用でも強い相互作用と同様の効果をもたらすことが可能であることを示した。

この物理現象は量子バッテリーの充填において大きな利点となり、従来の限界を超えるエネルギー転移と熱効率の向上を同時に実現することを示すという。長谷川教授らは「量子バッテリーの実装と開発に向けた新たな知見を提供するばかりでなく、さまざまな量子技術において新たな役割を果たす」とコメントしている。