岐阜大学の平島一輝特任助教などの研究グループは、基礎研究、臨床、薬事規制、病理学の観点からイヌ血管肉腫の有用性を評価して総説論文として公開した。
血管肉腫は5年生存率が9%程度と極めて予後が悪い悪性腫瘍だ。日本で年間50人程度と患者数が少なく治療薬の開発研究も進んでいない。また、人だけではなく犬にも発生する。イヌ血管肉腫はヒト血管肉腫と似た臨床動態と病理学的性質を持ち、特定の犬種に極めて高い確率で発生する。
現時点ではイヌ血管肉腫は創薬モデルとして確立されておらず、治療薬開発への応用は実現していない。今回、イヌ血管肉腫を疾病モデルとして創薬に応用するために必要な要件を基礎研究、臨床、薬事規制、獣医病理学の専門家を交えて包括的な観点から検討した。その成果を論文として公表している。