大学共同利用機関法人人間文化研究機構総合地球環境学研究所(京都市)は、7月9日㈰から11日㈫に京都市中京区東洞院ウィングス京都1階ギャラリースペースで、「インドネシアの伝統刺繍・カラウォ展」を開催する。
同研究所のSRIREPプロジェクトが主催。同プロジェクトはASEAN諸国で、深刻な環境問題のひとつである零細小規模金採掘(ASGM)による地球規模の水銀汚染を解決する道筋の解明を研究課題としている。
この解決策の一つとして、貧困のために金鉱山で働かざるを得ない人々が別の手段で収入を得るための新たな産業の開発を目指している。
同プロジェクトではインドネシア東部のスラウェシ島ゴロンタロに伝わる伝統刺繍のカラウォに着目し、制作技術の向上やマーケット拡大など、産業化のプロセスを多面的に支援しています。制作に関わる女性たちが安定した収入を得ることで、社会的地位向上へもつながっている。
カラウォは、カミソリの刃で布の糸を規則的に切ってメッシュを作り、そこにさまざまな色の糸を縫い込むことで製作するもの。繊細な手仕事により、花、生き物、幾何学模様などさまざまなデザインが紡ぎ出される。今回は、伝統的な模様や、新たに考案した模様、色の組み合わせなど多様な作品を展示。カラウォに対する国内での理解を深めてもらうことを目指している。