大阪大学の李艶君准教授らの研究チームは、原子間力顕微鏡(AFM)/ケルビンプローブ力顕微鏡(KPFM)を利用した単一原子触媒(SACs)反応について、酸化ルチルTiO₂表面上の単一金原子(Au₁)によるCO酸化反応に世界で初めて成功した。ナノ光触媒材料の設計のための新しい基盤技術となる可能性がある。
金属酸化物表面におけるCO酸化の単原子触媒作用は、温室効果ガスのリサイクルや自動車触媒などにおいて極めて重要でだが、その原子スケールでのメカニズムは解明されていない。
研究チームは「CO吸着について、Au₁への2つの異なるCO吸着形状が同定」「原子間力顕微鏡/ケルビンプローブ力顕微鏡を用いて、酸化ルチルTiO₂表面上のAu₁に正負両方の帯電をさせるとCOの吸着が著しく促進されることが確認」「吸着したAu₁の酸化還元状態、CO吸着形状及びAFM探針によるCO吸着と脱着を完全に制御することに成功」など主に5つの成果をあげている。
研究チームは今後について「チームではAFM/KPFMを用いることにより、現実的な触媒反応条件下でのCO酸化の活性化源を原子レベルで解明に取り組んでいく」としている。