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金属支持による固体酸化物形燃料電池 産総研が企業と開発 モビリティに適用可能

産業技術総合研究所(産総研)の⼭⼝祐貴主任研究員らとポーライト㈱は、粉末冶⾦技術を⽤いた多孔質ステンレス鋼基板上に固体酸化物形燃料電池(SOFC)を積層した「⾦属⽀持SOFC」を開発した。これにより自動車やドローンなどにも活用することができるようになったという。

SOFCは電解質または燃料極を⽀持体としていたが、いずれもセラミックスであるためもろくて割れやすく、振動や熱衝撃に弱いという問題があった。そこで、⽀持体を多孔質ステンレス鋼基板に変えることで強靭化を実現。⾃動⾞やドローンなどのモビリティに適⽤できるようになった。

ポーライトは⼩型モーター⽤軸受や機械構造部品などの焼結部品製造で培った粉末冶⾦技術を応⽤して、燃料拡散性と機械強度を両⽴した多孔質ステンレス鋼基板を開発した。産総研は電解質ナノ粒⼦を生み出し、電解質のガスバリア性を向上することに成功した。両者の成果を組み合わせることで実⽤サイズの5センチメートル⾓⾦属⽀持SOFCを試作した。

産総研は今後について「電極の改良などによって、⻑寿命で低温でも⾼出⼒密度が実現する⾦属⽀持SOFCを開発するとともに量産化に向けた検討を⾏う」としている。