北陸先端科学技術大学院大学のダムヒョウチ教授や東京大学などの共同チームは11日、深層学習により材料開発の効率を向上させる「マテリアルズ・インフォマティクス手法」を新たに開発した。
この方法では、まず分子構造や結晶構造の全体を適切に部分ごとに分割。そして重要な情報を自動的に注目する「アテンション機構」を用いた深層学習モデルを活用して、分子や結晶の物性値を予測する際に各部分構造への注目度を定量的に評価するもの。
材料科学分野でのアテンション機構の応用は、文章生成に使われるOpenAIのGPT シリーズや画像生成に使われるAIのような、自然言語処理や画像処理で利用される「セルフアテンション機構」を使用した最近の生成モデルと密接に関連する。
セルフアテンション機構はデータの内在する関係性やパターンを自動的に捉え、それを利用して新たなデータの生成に特に有効である。研究チームは「生成モデルにおける革新的なアプローチと同様、データの深層的な理解を促進して未来の研究や開発に新しい方向性を示している」とした。