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くも膜下出血後の間欠的な脳脊髄液ドレナージは水頭症を起こしづらい 名市大研究Gが明らかに

くも膜下出血の出血量が多いほど慢性水頭症になりやすいことから、血性髄液を排出する「脳脊髄液ドレナージ」で24時間持続的に抜き続けるべきと考えられていた。だが、名古屋市立大学の研究グループは8日、持続的ではなく8時間ごとに間欠的に排出した方が慢性水頭症になりにくい可能性があることを初めて明らかにした。

近年の研究によって、脳脊髄液の総排出量は慢性水頭症の発症とは関連しておらず、ドレナージは短期間にとどめてできるだけ早く抜去した方が慢性水頭症を発症しにくいという成果が報告されている。

研究グループは2007年2月~22年11月までの間にくも膜下出血の患者252人中、ドレナージが行われた204人を対象に観察研究を行った。

くも膜下出血後にドレナージが行われた204人のくも膜下出血患者のうち、136人(67%)に持続ドレナージが行われ、68人(33%)に間欠的ドレナージが行われた。2群間ではくも膜下出血発症時の重症度と急性水頭症の併存については、持続ドレナージが行われた群の方が有意に急性水頭症の合併頻度が高かった。

また、持続ドレナージが行われた136人中74人(54%)、間欠的ドレナージが行われた68人中22人(32%)に慢性水頭症を発症した。持続ドレナージに対する間欠的ドレナージの慢性水頭症発症の多変量オッズ比は、0.25であった。

研究によって、脳脊髄液ドレナージは持続的に行うよりも逆に8時間ごとに1日に3回、間欠的に排出する方が慢性水頭症の発症が抑制される可能性が示された。患者は排出していない時間帯にベッドから離床してリハビリテーションを行うことができ、早期回復にもつながる慢性水頭症の予防法として提案されている。

研究グループは「研究は前向き観察研究だが、ランダム割付試験ではないため、今後は持続ドレナージと間欠的ドレナージをランダム割付試験で検証するとともに、頭蓋内圧モニターを併用して科学的根拠を裏付けて、研究を発展させていきたい」としている。