新潟⼤学の⾦澤雅⼈准教授らの研究グループは8日、国⽴循環器病研究センターとの共同研究で経⼝糖尿病薬「メトホルミン」による脳⼩⾎管病に対する神経保護効果を明らかにしたと発表した。
研究グループは⾎管内治療の適応がない2型糖尿病の脳梗塞患者で「脳梗塞発症前のメトホルミン治療が神経症状の症状改善に関連するか」「脳梗塞のサブタイプごとにメトホルミンの影響が異なるか」を明らかにするため、何らかの糖尿病薬を内服していた160⼈の臨床情報、画像データを収集して解析を実施した。
その結果、脳梗塞発症前のメトホルミン治療が特に細い⾎管が障害される脳梗塞タイプの患者において、神経症状の重症度軽減と退院時の症状改善に関係することを明らかにしている。
また、実際にメトホルミンを内服している患者とそうでない人を⽐べると、⾎液中の炎症を反映する指標がメトホルミンを内服している患者の⽅が低かった。炎症が抑えられていることが関係しているのだろうと推察されている。
研究グループは「⾎管内治療の適応にならない脳⼩⾎管病患者さんの予後を改善する薬剤 として、メトホルミンが有⽤であることが⽰された」と結論づけている。