九州⼤学の⽳井豊昭教授や佐賀⼤学などの研究グループは、油脂中にフラン酸をほとんど含まないダイズ突然変異体を⾒いだした。これを⽤いて、油脂中のフラン酸合成に関わる遺伝⼦を特定することに世界で初めて成功している。
⽳井教授が開発したダイズ突然変異体リソースを使って探索したところ発見することが難しいフラン酸含量が、最大で通常の品種の10分の1以下に減少した4系統の突然変異体を得ることができた。
これらの突然変異体を⽤いて、遺伝解析を⾏ったところ2個の原因遺伝⼦を発見。研究で得られた低フラン酸突然変異系統からダイズ油脂を調製して油脂の酸化安定性と不快臭の発⽣について評価を⾏った。すると、標準的ダイズ品種「フクユタカ」から調製したダイズ油脂と⽐べて酸化安定性が⾼く、不快臭の発⽣も抑制されていることが明らかとなった。
研究グループは「ダイズ油脂の品質劣化のみならずダイズを原料とする様々な⾷品の品質や品質保持期間の改善などにも貢献することが期待される」としている。