順天堂大学の石井翠助教らの研究グループは、健康な人から樹立したiPS細胞にゲノム編集を行うことで、そのiPSから作製したヒトパピローマウイルス特異的細胞傷害性T細胞(CTL)が患者の免疫細胞から拒絶されずに子宮頸がんを強力に抑制できることを発見したと発表した。学術雑誌「セルリポーツメディシン」に12日付で掲載されている。
研究では、健康な人から作ったiPS細胞由来CTLが大量の組織レジデントメモリーT細胞を含むために高い細胞傷害活性を持つことを解明した。これは難治性子宮頸がんに対して有望な新規治療法となりうる可能性を示しているという。
研究チームは「今後、子宮頸がんに対する本治療の医師主導治験を開始する予定」とし「マザーキラーである子宮頸がんの克服に向けて重要な一歩となることが期待される」と説明した。