東北大学の松井広教授らのグループは、雄マウス 2匹を同じケージに入れた時に勃発するケンカに注目。小脳の活動を解析した。脳を構成する細胞「グリア細胞」を操作することで過度な攻撃衝動を抑えられるとしている。
マウスを使った実験によるとケンカ解散時、小脳で特有の神経活動が生じて脳の周波数である「シータ波」の局所フィールド電位が記録された。また、小脳グリア細胞を光刺激すると、小脳でシータ波が生じるとともにケンカ解散までの時間が短くなることが判明している。
さらに、ケンカが優勢や劣勢になると小脳グリア細胞内のカルシウム濃度が増減したため、小脳グリア細胞はマウスの攻撃性を調整するボリュームの役割を果たすことが示唆された。
研究結果から小脳正中部に位置する「バーグマングリア細胞」の活動によって、小脳神経活動のシータ波活動レベルが調整されてマウスの好戦気分が左右されるとしている。
研究グループは「小脳グリア細胞活動を機能操作することで、過度な攻撃衝動を抑えられる可能性がある」としている。