立教大学の箕浦真生教授らの研究グループは6日、環境調和型分子の創出を目的に研究を行なって次世代のクリーンエネルギーとして期待されている水素や二酸化炭素を吸着する物質「Trp-MOF」の開発に成功したと発表した。
有機金属構造体(MOF)にはマイクロ孔といわれる非常に小さな細孔があり、従来の多孔性材料である活性炭やゼオライトをはるかに超える比表面積を持つことから、ガス吸着や分離への応用が期待されている。
研究グループは有機配位子として2,3,6,7,14,15-トリプチセンヘキサカルボン酸を合成し、硝酸亜鉛と反応させることで高い二酸化炭素及び水素貯蔵量を誇るMOFの開発に成功した。
熱安定性に優れる「トリプチセン」と呼ばれる分子を有機配位子に用いることで、開発したMOFも熱に対して安定性を示した。また、アルキル基やハロゲンによりそのトリプチセン配位子を化学修飾することで、ガス吸着性能をさらに向上させることができた。
研究グループは「今後は金属種の変更やさらなる化学修飾を行い、より高いガス貯蔵能を目指していく」としている。