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アメンボの中脚の脚力調査に初成功 計測システムも開発 茨城大など3大学

茨城大学の上杉薫助教らの研究グループは6日、大阪大学と旭川医科大学と共にアメンボが水面を移動する際の脚力を直接測定と画像解析によって明らかにしたと発表した。中脚の脚力の直接測定にはじめて成功しており、新規開発の計測システムで従来よりも正確な測定を実現している。

先行研究でアメンボの脚力が計られていたが正確な脚力が測定できていると言えなかった。また、身体全体の推進力からの脚力の導出も報告されているが、脚一本の力を直接測定しているわけではないのでこの方法も正確ではない可能性があった。

そこで研究グループでは、アメンボの脚一本の脚力を直接計測できるシステムを構築。高い撥水(はっすい)機能が求められるセンサ接続用のプローブは、アメンボの脚の一部を切り取って流用することで、水面に捕らわれることを防ぐことができた。また、高速度カメラと画像解析を用いて加速度から脚力を導く間接測定もあわせて行っている。

その結果、中脚の中央部における脚力は2.17ミリニュートン程度で、モーメントの原理からアメンボ脚先端での脚力を計算すると0.96ミリニュートンであった。一方、画像解析から得られたアメンボ中脚の脚力は約0.49ミリニュートンであり、直接測定の値の半分程度であった。

これは水面の持つ粘弾性特性によるエネルギーロスや摩擦や空気抵抗、波の発生といった

エネルギーロスによって計測から導き出される脚力が実際よりも小さな値になっているからだと考えられている。

研究グループは「これまで提案してきたアメンボ撥水モデルに、今回測定した脚力を導入し,より詳しい撥水理論の展開を試みていく」とコメントしている。