中央大学の白石広美研究員らにより、絶滅危惧種「アメリカウナギ」の稚魚について東アジア輸入が急増しており、資源を減少させる可能性が示された。分析により昨年は157トンが流通し、最も消費されるウナギであることが分かっている。この結果を踏まえて、研究グループは種の保存に関する警鐘を鳴らしている。
今回の研究では、東アジアの国・地域(日本、中国、韓国、台湾、香港)の税関統計を入手し、ウナギの稚魚がどの国からどのくらい輸入されているかを調べた。分析の結果、アメリカ大陸からのウナギの稚魚の東アジアへの輸入量は、2004年の2トンから22年には 157トンに急増している。
ニホンウナギの東アジア全体の池入れ量は11~12年漁期以降、100トンを下回る。この数字と比較しても、157トンという輸入量は驚異的でありアメリカウナギが現在世界で最も消費されているウナギ種と考えられた。
研究グループは「ウナギの一大消費国である日本には、アメリカウナギを含むウナギ属の持続的な利用の実現に向け、さらなる主導的な役割が求められる」と指摘している。