文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
筑波大など6機関、圧力下でのガラスの相転移機構を解明 新材料開発につながる可能性も

筑波大学など6機関からなる研究グループは、圧力変化に伴うガラスの原子配列の変化を調べた。大気圧下で見られた規則的な原子配列が圧力上昇に伴って抑制され、体積弾性率は上昇することが判明したと発表した。新材料の開発につながる可能性もある。

研究グループは、高輝度の放射光X線を使用した高圧回折実験と機械学習を用いた数値計算シミュレーションを組み合わせて圧力の変化に伴うガラスの原子配列の変化を調査した。

その結果、大気圧下で見られた「パイエルス様歪(ひずみ)」と呼ばれる規則的な原子の配列が、圧力の上昇に伴って抑制されることを確認した。また、それによりガラスの体積弾性率が上昇することも明らかになっている。加えて、ガラスの相転移メカニズムは、過冷却液体と呼ばれる別の状態において観測された相転移の機構と本質的に同様であった。

研究グループは「パイエルス様歪が相変化材料の性質を左右する本質的な構造的特徴であることを示し、相変化メモリなど高度化に向けた新材料開発の指針となる可能性がある」としている。