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早稲田大研究GがISS「きぼう」装置で 7.5TeⅤまでの宇宙線電子エネルギースペクトル測定に成功

早稲田大学の赤池陽水名誉教授などの共同研究グループは5日、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載した望遠鏡「CALET」を用いて銀河宇宙線中の電子のエネルギースペクトルを世界最高の7.5テラ電子ボルト(TeV)まで高精度に観測。宇宙線の起源と伝播(でんぱ)に迫る成果を発表した。

地球に飛来する宇宙線は、その加速領域の特定が難しいため伝播機構の理解があまり進まない状況が続いていた。また高エネルギーの電子は、荷電粒子から加速源を同定できるユニークな可能性が理論的に指摘されていましたが、これまで観測例はほとんどなかった。

研究グループは今回、高エネルギーの電子観測を主目的とした検出器であるCALETを用いて電子を高精度に選別すると同時に、国際宇宙ステーションにおける長期間観測により高統計のデータを蓄積することでこの問題を克服した。

その結果、高エネルギー領域で地球近傍の電子加速源候補である超新星残骸の寄与を示唆するエネルギースペクトルが得られた。研究グループは「今後のさらなる観測により、宇宙線加速源が荷電粒子によって初めて直接的に同定できる可能性が高まっている」としている。

CALETの概念図(左図)と主検出器のカロリメータ(右図)
(出典:JAXA/早稲田大学)