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抗がん剤「シスプラチン」の低用量維持投与が抗腫瘍効果を増強 北大教授らが可能性指摘

北海道大学の樋田京子教授らの研究グループは4日、抗がん剤「シスプラチン」の低用量維持投与が、標準治療である最大耐用量による投与と比較して腫瘍組織の炎症性変化を抑制し、抗腫瘍効果を増強する可能性を指摘した。副作用を抑える新たな治療法を提案している。

研究グループは、これまで抗がん剤による炎症性変化が腫瘍血管の異常性をもたらし、治療抵抗性のメカニズムとなっていることを報告している。そこで、抗がん剤による腫瘍組織内の炎症性変化を抑制することが、予後改善につながるのではないかと考えた。

実験ではマウス膀胱がんモデルを用いて各種抗がん剤の低用量維持投与を実施。シスプラチンの投与により腫瘍組織の炎症性変化が抑制され、腫瘍血管の正常化とともに抗腫瘍効果が増強することが分かった。

研究グループは「シスプラチンを低用量維持投与で用いることで、より大きな治療効果を得られる可能性が示された」と報告している。

研究成果の概要図