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がんや心臓疾患に効果「フラボノイド」 大阪公立大研究Gが代謝メカニズムと分子機構を明らかに 機能性食品の有用性を高める手法開発に期待

大阪公立大学の竹中重雄教授らの研究グループは4日、主要なフラボノイド(ポリフェノール)であるナリンゲニンとアピゲニン、ゲニステインが体内で代謝される過程とその分子機構を明らかにしたと発表した。これはフラボノイド類の体内代謝と生理活性の相関を解明するための重要な基礎的知見であると考えられる。

フラボノイドはがんや心臓疾患などの治療や予防効果があるといわれているが、体内での代謝プロセスで、いまだ不明な部分が残されている。そこで研究では、植物由来フラボノイド類が代謝される過程とその分子機構を明らかにすることを試みた。

研究ではナリンゲニン、アピゲニンとゲニステインのシトクロムP450(CYP)酵素による代謝を検討。その結果、さまざまな反応が起こることが明らかになり、さらに CYP1B1酵素がアピゲニン6位を水酸化する高い活性を持つことを発見した。

また、結合親和性を予測する「分子ドッキングシミュレーション」からCYP1B1が、アピゲニンの6位水酸化反応を触媒する植物CYP82D.1と基質結合様式に類似性を有することも分かっている。

研究グループは「研究成果は、フラボノイド類を摂取したときの体内代謝プロセスを明らかにするために重要な知見であり、フラボノイド類の機能性食品としての有用性をより高めるための手法を開発することが期待できる」としている。

ナリンゲニン、アピゲニンとゲニステインの
化学構造式とそれを含む代表的な食品の例